
釣った魚はクーラーボックスで何日何時間保存できる?保存方法
釣った魚の保存期間は、クーラーボックス内の温度管理に大きく依存します。理想的には、氷や保冷剤を使って魚をできるだけ速やかに冷やし、0℃近くで保つことが大切です。この条件下では、白身魚であれば新鮮な状態で1〜2日程度保つことができます。
クーラーボックスを使った魚の保存をする場合は、活〆や血抜きを正しく行い持ち帰りましょう。家に帰ったらできるだけ早く魚の内臓やエラの処理を行いキッチンペーパーなどで水や血をふき取った後に新しいキッチンペーパーなどで魚を包み空気を抜いて厚手の袋に入れます。
クーラーボックスに氷水を入れ、魚の入った袋をその氷水に入れます。
氷水から魚が浮いている場合は厚手のタオルを上にのせて冷えるようにすると良いでしょう。
氷が無くならないように定期的に追加して0℃を維持すると白身魚の場合は1~2日は保存可能です。血合いが多い青魚の場合は臭みが出やすいので翌日には食べた方が良いでしょう。
釣った魚をクーラーボックスなしで持ち帰れる?
釣りを楽しんだ後、釣った魚を美味しくいただくためには、鮮度を保つことが大切です。クーラーボックスはそのために非常に便利な道具ですが、もし持っていない場合でも、釣った魚を持ち帰る方法はいくつかあります。
クーラーボックスなしでの持ち帰り方
- バケツを利用する: 水槽やバケツに水を入れて、生きたまま運ぶ方法です。この方法は魚の新鮮さを保つのに非常に有効ですが、重量や水の漏れなどのデメリットもあるため注意が必要です。
- 氷や冷凍パックを利用する: 氷や冷凍パックをビニール袋に入れて魚を冷やす方法です。この方法は魚を新鮮に保つために効果的ですが、釣り場や自宅への道のりが長い場合には、途中で氷が溶けてしまう可能性があります。氷がほとんど解けてしまうと温度が上がり魚の腐敗が進むので、氷が無くならないように注意しましょう。氷がすぐに解ける気温であれば持ち帰る事ができないのでリリースしましょう
氷に魚が直接つかないように注意が必要
氷に魚が直接つくと氷焼けして細胞が壊れ白くなります。
この状態になると水っぽくなりまずくなるので保冷剤や氷が直接魚に当たらないように注意が必要です。
保冷剤や氷と魚の間にタオルなどを入れて直接当たらないようにしましょう。
釣った魚をおいしく持ち帰るには活〆
釣った魚を美味しく食べるために、クーラーボックスなどでの持ち帰り方以外にも活〆もとても重要です。適切に処理することで、魚の鮮度を保ちながら家まで持ち帰ることができます。
活〆(いけじめ、いきしめ)とは、魚を漁獲した後に行う処理方法の一つであり、魚の鮮度と質を保つために非常に重要な手法です。この方法は、特に日本の伝統的な技術として知られ、幅広く用いられています。
活〆とは
- 定義: 活魚を迅速に脳死状態にし、さらに血抜きをすることにより鮮度を保つ処理方法です。
- 目的: 魚が漁獲後に暴れることで失われがちなATP(アデノシン三リン酸)を保存し、肉質の劣化や内出血を防ぎます。また、乳酸やその他の疲労物質の蓄積を減らします 。
活〆の効果
- 旨味の保存: ATPがイノシン酸などの旨味成分に変化する過程を保ち、魚肉の味わいを良くします。
- 品質の維持: 肉質の劣化や内出血を防ぎ、乳酸などの疲労物質の蓄積を減らします。
- 腐敗の抑制: 血液を抜くことで微生物の繁殖を減らし、腐敗を遅らせます 。
注意点
活〆の方法は魚種によって異なるため、種類ごとの適切な処理法を学ぶことが大切です。また、効果的な活〆は、鮮度の保持だけでなく、食べるときの味わいにも大きな影響を与えます。
魚の鮮度と味を保つために、活〆は非常に重要な技術です。正しい方法で行うことで、おいしい魚料理を楽しむことができますよ!
脳締め
脳締めは、魚を釣った直後に行う処理方法のひとつで、魚の命を素早く終わらせることで、肉質の低下を防ぐために行われます。釣った魚が暴れると、内出血などが起こり、死後硬直が早く進んでしまい、肉質が悪化します。脳締めを行うことで熟成に適した状態を作り出し、鮮度を保持して旨味を逃さないようにすることが可能です。
脳締めの方法
脳天にナイフやハサミを刺して脳を破壊する方法です。メバルの場合はエラブタの縦線と側線の交わっている部分にナイフを刺します。

延髄締め
延髄締めは、魚の脳や神経系を素早く破壊し、即時に死をもたらす方法です。これにより、魚の肉質の劣化を防ぎ、鮮度を長持ちさせることができます。具体的には、魚の首の後ろ、または目の横あたりに刃物や特定の道具を突き刺して延髄を破壊します。
延髄締めの方法
- 準備: 滑らないように魚をしっかりと抑えます。
- 実行: 包丁や専用の道具を使って、魚の延髄を狙います。目の横や頭部後方にある延髄を一撃で破壊することが重要です。
- 確認: 延髄締めが成功すると、魚は即座に動きを停止します。これにより、血液中の老廃物やストレス物質が肉に分散するのを防ぎます。
氷締め
氷締めは、魚を塩水で溶かした0℃以下の氷水(塩氷)に浸すことで、魚を凍死させて締めて鮮度を保つ方法です。特に小型魚向けの方法です。
氷締めの手順
- 氷水の準備: 釣り始める前に、海水で作った氷水を準備します。ポイントは、魚が全体が浸かるように十分な量を用意することです。
- 魚を浸す: 釣った魚を成功した直後に0℃以下の氷水の中に入れます。これにより、瞬間的に締めることができます。
- 冷えたら保管: 1時間ほどして魚が完全に冷えたら、ビニール袋などに移し、再び塩氷の中に置きます。
注意点
- 魚を氷水の中に長時間浸けておくと、水が体内に入り、質が落ちる可能性がありますので注意が必要です。
- 塩氷は、海水で作ることで身が水っぽくならないようにするため、浸透圧の関係で重要です。
氷締めは、特にイワシやアジなど小型で数が釣れる魚に最適な方法です。
ポイント
- 迅速に締める: 釣ったメバルは、できるだけ早く締めることが重要です。
- 血抜きをする: 締めた後は、しっかりと血抜きをしましょう。
- 冷蔵保存する: 締めたメバルは、冷蔵保存しましょう。
神経抜き
魚を美味しく食べるためには、鮮度を保つことが非常に重要です。活〆でも十分ですが、こだわる方はその方法の一つとして「神経抜き」があります。では、神経抜きとは何か、その手順や効果について詳しく見ていきましょう。
神経抜きとは?
神経抜きは、漁獲された魚の品質を最大限に保つために行われる処理の一つです。「活け締め」の方法の中で、背骨近くを通る神経に特殊なツールを使用し、神経を切断・破壊することで行います。これにより、死後硬直迄の時間を遅れさせて魚の筋肉の鮮度をより長く保つことができます。
神経抜きの手順
- 即殺: 魚の頭蓋骨を手かぎなどで壊し、動きを止める。
- 放血: のど元の血管を切り、海水に入れます。心臓がまだ動いているので、血液は自然に排出されます。
- 神経抜き: 神経の通り道に、魚の種類や大きさに応じた太さのワイヤーやピアノ線を通し、神経を切断します。
- 保冷: 処理した魚を適切な温度で保冷し、保存します。
神経抜きの効果
- 臭みの減少: 神経破壊により臭みが少なくなります。
- 品質の維持: 腐敗が遅くなり、新鮮な状態を長く維持できます。
- 美味しさの向上: 料理した際の美味しさが増します。
注意点
- 神経抜きの方法は魚種によって異なります。特に神経の位置が重要で、正確な位置で処理を行う必要があります。
- 各魚種ごとの特性を知り、適切な道具を使って処理することが重要です。
「神経抜き」は魚料理の味を左右する大事な技術の一つです。魚の食感や鮮度をより良く保ちたい場合などに、この方法を試してみる価値は大いにありますね
血抜き
血管を切って血を抜き、血の腐敗による臭みや味の劣化を防ぎます。
寝かせて熟成させる場合は血が腐敗するので血抜きが必要になります。
血抜きをする場合は魚を締めた後にエラを切って冷やした海水が入ったバケツに5分程度入れておきます。
5分経過したら冷えたクーラーボックスで保存しましょう。
バケツの代わりにストリンガーでの血抜きも便利です。大型の魚は大きいバケツが必要になるので他の釣りをする場合はストリンガーを準備しましょう。
- 尾ビレの付け根からエラに向かって包丁を入れ、血管を切断します。
- 水圧を利用して血を抜く方法もあります。
釣った魚を保存するには活〆の後にすぐに冷やして持って帰る事
釣った白身魚を保存するには釣った後に5℃~10℃で持ち帰る必要があります。
5℃以下で冷やしすぎると死後硬直が早くなり死後硬直が解けると自己消化が起きるので氷づけにしないように注意が必要です。
青魚の場合は5℃以上でヒスタミン濃度が高くなるので、5℃以下で持ち帰るようにしましょう。
ヒスタミンは濃度が高くなると食中毒の可能性が高くなります。過熱しても消えません。
魚の上に小さい保冷剤を載せるだけの場合は、人間で例えると保冷剤を体の一部分に当てているだけと同じ状況なので他の部分はあまり冷えていません。冷えていない部分は腐敗が進みます。
腐敗した場合は過熱しても食べることができません。
クーラーボックスの保冷力の違い
クーラーボックスはアウトドアやキャンプ、釣りなど様々なシーンで活躍する必需品です。その中でも、保冷力の違いはクーラーボックスを選ぶ上で非常に重要なポイントになります。ここでは、クーラーボックスの保冷力について、ハードタイプとソフトタイプの違いを中心にまとめました。
クーラーボックスのタイプと基本性能
- ソフトタイプクーラーボックス: 柔らかい素材でできており、折りたたみが可能で軽量。持ち運びが容易であり、短時間の使用に適しています。しかし、一般的に断熱材が薄く、ハードタイプと比較すると保冷力は劣るケースが多いです。
- ハードタイプクーラーボックス: スチール製やステンレス製など硬い素材で作られ、丈夫で保冷力が高いのが特徴。宿泊を伴うキャンプや長時間の保冷が必要なシーンで威力を発揮します。重量があり場所を取るため、使用する人数や目的に応じてサイズの選定が必要 。
保冷力を左右する要素
- 断熱材の種類: 一般的にクーラーボックスの保冷力は断熱材によって大きく左右されます。真空断熱パネル、ウレタンフォーム、発泡スチロールなど、使用されている断熱材によって保冷力が異なります。
- タイプに応じた使用シーン:
- デイキャンプや普段の買い物であればソフトタイプが便利。
- キャンプや長時間の釣りなど、保冷力の高さが求められる場面ではハードタイプが適しています。
人気ブランドと特徴
- YETI(イエティ): 高い保冷力で有名なブランド。長時間のアウトドア活動や厳しい環境でも内容物を冷たく保つ能力が高いです。
- Coleman(コールマン): アウトドア用品ではお馴染みのブランドで、多種多様なサイズのクーラーボックスを展開。コストパフォーマンスに優れています。
釣って持ち帰った後の保存方法
- 内臓処理: 内臓やエラは腐敗しやすいので、できるだけ早く取り除きます。
- 肛門から包丁を入れ、内臓を丁寧に取り出します。
- 肝臓や心臓など、食用にする場合は別にしておきましょう。
- 内臓処理後、しっかりと水洗いしましょう。
- 冷蔵保存: 1~2日程度で食べる場合は、冷蔵保存がおすすめです。
- キッチンペーパーで水気を拭き取り、ラップや密閉容器で包んで冷蔵庫に入れます。
- 魚を直接氷に触れさせると、身が水っぽくなってしまうので注意が必要です。
- 青物の冷蔵保存ではヒスタミンが増え危険なので保存せずに早めに食べましょう。
- 魚が固くなり死後硬直が起きたら0℃の氷温室で保存したほうが硬直が解けるまでの時間を長くできます。
- 冷凍保存: 釣ってきた魚を長期保存する場合は、冷凍保存がおすすめです。1ヵ月の保存が可能ですが、2週間過ぎると冷凍やけなどで品質が低下してきて刺身で食べるのが難しくなります。
- 水気を拭き取り、ラップや密閉容器で包んで冷凍庫に入れます。
- 水分が飛ぶ冷凍やけや匂いを防ぐには酸素や水分を通しにくいサランラップなどガスバリアが高いラップで空気を抜いて包んだり、真空パック保存がおすすめです。
- できるだけ早く冷凍し、解凍後は早めに食べるようにしましょう。
3. その他
- 魚の種類によって、適切な処理や保存方法が異なります。 詳しくは、釣具店やインターネットなどで調べてみましょう。
- 釣った魚は、できるだけ早く処理して保存することが重要です。 時間があれば、釣れたその日に食べるのがおすすめです。
- 保存状態が悪いと、食中毒の原因になることがあります。 食べる前に必ず魚の鮮度を確認しましょう。
釣った魚刺身いつまで?
釣り魚を刺身で楽しむ場合、鮮度はもちろんのこと、処理方法や保存状態によって食べられる期間が大きく変わります。それぞれの魚種や大きさ、環境条件によっても異なりますが、基本的なガイドラインを紹介します。
主なポイント
- 鮮度の確保: 活〆や適切な血抜きを行うことで、釣った魚の鮮度を保つことができます。これらの処理を行った白身魚は、一般的に1~2日は刺身として楽しむことが可能です。青魚は保存せずにすぐに食べた方が良いです。
- 正しい保存法: 魚を刺身で保存する場合、チルド(冷蔵)状態で保管し、魚に直接水が当たらないようにするのがベストです。内臓処理と血抜きを行った上で、水分をふき取りキッチンペーパーでくるんだ後にビニール袋に空気を抜いて入れしっかりと冷やし続けることが重要です 。
刺身としての期間
- エラワタの処理: エラと内臓(脾臓を含む中骨の下)、適切な血抜きをすることで、釣った魚は0℃のチルド状態でおおよそ1~2日間は刺身として楽しめます。
- 魚種によって異なる: 一般的に大型の魚は日持ちがよく、ヒラマサやブリ、ヒラメなどは獲得後の処理にもよりますが、数日間は良い状態で刺身として食べられます。青物の赤身部分は臭みが出るのが早いので翌日までに食べた方が良いです。
- 夏場の注意: 特に夏場は魚が暑さによって劣化しやすいため、即座の処理と冷蔵が不可欠です。
釣った後すぐに冷やして持ち帰り内臓やエラを取って洗って水分をふき取ってキッチンペーパーでくるんで袋に入れて冷蔵保存しておいて、食べる直前に刺身にしましょう。
釣った魚をすぐに刺身にした状態で保存すると酸化や乾燥をするのでおいしくなくなります。
一度刺身にして身が酸素に触れた場合は真空パックしても変色しておいしくありません。
魚にもよりますが、正しく処理して5℃以下で保存をした場合は青魚は翌日まで、白身魚は翌々日程度であれば食べることが可能です。
ただし-20℃で48時間以上冷凍せずに刺身にする場合はアニサキスに注意して食べましょう。
注意事項
- 実際に魚を刺身として食べる場合は、魚の外見や臭いをよくチェックし、怪しい場合は食べないようにしましょう。「刺身で食べられる」という情報はあくまで一般的なガイドラインです。
釣った魚を美味しく刺身で楽しむには、適切な処理と保存がカギとなります。条件にもよりますが、正しい方法で扱えば、釣りたての鮚の美味しさを数日間楽しむことができますよ!
釣った魚をそのまま冷蔵庫に入れて翌日捌くのは大丈夫?内臓処理はいつまで?
釣った魚を家に持ち帰ってからの保存方法は重要です。冷蔵庫にそのまま入れることはできるのか?翌日に捌く場合と内臓処理はいつまで?をまとめました。
翌日に捌く場合: 釣った直後にすぐに冷やしている魚で0℃のチルドに入れるのであれば、エラと内臓処理後にそのまま冷蔵庫に入れ翌日に捌くのは可能です。
注意点
- エラと内蔵の処理: 魚を釣った日にエラと内蔵処理だけは必ずしましょう。エラと内臓は腐敗を速める主な原因であり、魚の臭みや苦みの原因にもなるため、できるだけ早く取り除くことが重要です。
内臓を処理していない場合は腐敗が進み、寄生虫のアニサキスが身に移動する確率が高くなるので刺身は難しくなります。 - 保存方法: 魚を冷蔵庫に入れる際は、キッチンペーパーや新聞紙などで包んで水分を吸い取ると良いです。これにより、魚の表面が乾燥しすぎるのを避けつつ、余分な水分を取り除きます。
釣り場での締め方の注意点
ハサミ・ナイフなどを持ち歩くと銃刀法違反になる可能性がある
ハサミ・ナイフなどを持ち歩くと銃刀法違反になる可能性があります。
銃刀法では、刃体の長さが6cmを超える刃物(飛び出しナイフや拳銃刀剣類を除く)を正当な理由なく携帯することを禁じています。
特に釣りに行かないのに車に積んだままにしている場合は正当な理由になりません。
刃物を隠して持ち歩いたり、周囲に威嚇するような使い方をすると、銃刀法違反になる可能性があります。
違反した場合、2年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。
釣りに利用する場合でも袋に入れただけの状態になっていたりリュックに吊り下げていたりすぐに取り出せる状態になっていたりすると検挙される場合もあるので注意が必要です。