はい、キュウセンベラは泳がせ釣り（活き餌釣り）の餌として非常に有効な魚です。特に堤防や磯からの青物（ブリ、ヒラマサ、カンパチなど）、根魚（ハタ類、カサゴ、メバルなど）、ヒラメ、マゴチ、スズキなどを狙う際に人気があります。
アジやイワシなどの生き餌が手に入らない場合に、入手しやすいので試してほしい釣り方です。
キュウセンベラが泳がせ釣りの餌として優れている理由
- 非常に活動的で目立つ: 元気に泳ぎ回るため、広範囲の捕食魚にアピールします。
- 生命力が強く、弱りにくい: 針に掛けても比較的長時間活きているため、チャンスが長く続きます。
- 採集が容易: 防波堤のヘチやテトラ帯、岩礁帯などに多く生息しており、小さな針と簡単な仕掛けで比較的簡単に釣れます。
- 手頃なサイズ: 多くの捕食魚にとって捕食しやすいサイズ感です。
キュウセンベラで狙える主なターゲット
- 青物: ブリ、カンパチ、ヒラマサ（若魚を含む）
- 根魚: ハタ類（マハタ、オオモンハタ、アカハタなど）、カサゴ、ソイ
- フラットフィッシュ: ヒラメ、マゴチ
- その他: スズキ（シーバス）、シイラ（小型〜中型の場合）
餌のキュウセンベラの釣り方
まず、活きの良いキュウセンベラを確保する必要があります。
- 場所: 堤防のヘチ、テトラの隙間、岩礁帯、潮通しの良い砂底混じりの場所。
- 仕掛け:
- 竿：短めの磯竿（1〜2号程度）や延べ竿、ルアーロッド
- 道糸：ナイロン1.5〜3号
- 針：袖針やハゼ針の4〜7号程度の小さめのもの
- オモリ：ガン玉B〜3B程度
- シンプルな胴突き仕掛けやウキ釣り仕掛けでもOKです。
- 餌: オキアミ、アミエビ、イソメ（ゴカイ）、アオイソメなど。
- 釣り方: 足元に仕掛けを落とし、軽く誘いながらアタリを待ちます。入れ食いになることも珍しくありません。釣れたらすぐに活かしバケツやスカリに入れて、活かしておきましょう。
キュウセンベラを使った泳がせ釣り（ウキ泳がせ釣りを想定）
活き餌が確保できたら、本命を狙います。ここでは一般的な「ウキ泳がせ釣り」の仕掛けと釣り方を説明します。
- タックル
- 竿: 3〜5号程度の磯竿（遠投磯竿）、またはM〜Hクラスのショアジギングロッドやシーバスロッド。ターゲットの大きさに合わせて選びます。
- リール: スピニングリール3000番〜6000番クラス。道糸の太さに合わせて選びます。
- 道糸: PEライン2〜4号、またはナイロンライン4〜8号。
- リーダー/ハリス: フロロカーボン5〜10号を1〜2ヒロ（約1.5〜3m）。
- ウキ: 円錐ウキや棒ウキ（電気ウキ含む）で、負荷の大きいもの（10〜30号程度）。
- ウキ止めゴム、シモリ玉、サルカン
- オモリ: ウキの負荷に合わせた遊動式または固定式のオモリ。
- 活き餌用フック: 伊勢尼針、丸セイゴ針、チヌ針の12〜18号程度。キュウセンベラのサイズに合わせて選びます。
- 仕掛け例（ウキ泳がせ釣り） 道糸 → ウキ止めゴム → シモリ玉 → ウキ → シモリ玉 → サルカン → （捨て糸・捨てオモリ仕掛けにする場合あり）→ ハリス → 活き餌用フック
- 捨て糸・捨てオモリ仕掛け: 根掛かりが多い場所や、底付近を攻める場合に有効です。サルカンにメインのハリスとは別に、細めの糸（道糸より細い）でオモリをつけた捨て糸を接続します。
- 釣り方
- 餌の付け方: キュウセンベラの背中（背ビレの根元付近）にフックを浅く刺す「背掛け」が一般的です。魚の体力を奪わないよう、素早く丁寧に行いましょう。口掛けや鼻掛けもありますが、キュウセンベラの場合は背掛けが最も活きが良い状態で泳がせやすいです。
- 投入: 活き餌を優しく、遠くに振り込みます。無理なキャストは餌を弱らせるので注意。
- タナ（深さ）の設定: 狙う魚の種類やポイントの水深に合わせて、ウキ止めでタナを調整します。青物なら中層〜表層、根魚やヒラメなら底付近が中心になります。
- アタリ: ウキが沈む、引き込まれるなど、明確なアタリが出たらすぐに合わせず、魚が餌を完全に食い込み、走り出すまでじっと待ちます。
- フッキング: 魚がしっかり食い込んで走り出したら、竿を立てて大きく合わせを入れます。
- やり取り: 大型魚とのやり取りになるので、ドラグ調整を適切に行い、時間をかけて慎重に巻き上げます。タモ網やフィッシュグリップを忘れずに用意しておきましょう。
釣果アップのコツ
- 活きの良い餌を使う: これが最も重要です。弱った餌は釣果が落ちます。
- 餌のサイズに合わせる: ターゲットが小さい場合は小さめのキュウセンベラを、大型狙いの場合は大きめのキュウセンベラを使います。
- 時合いを狙う: 朝夕のマヅメ時や潮の動く時間帯は特にチャンスです。
- ポイント選び: 潮通しが良く、回遊魚の通り道や根魚が潜んでいそうな岩礁帯などを選びましょう。
キュウセンベラを使った泳がせ釣りは、思わぬ大物がヒットする可能性を秘めた、非常にエキサイティングな釣り方です。ぜひ試してみてください。
その他の泳がせ釣り餌になる魚
泳がせ釣りで餌として使われる魚は、ターゲットとなる魚種や地域、時期によって様々ですが、一般的には以下のような魚がよく使われます。
定番（多くのアングラーが使う人気餌）
- アジ (鯵)
- 特徴: 非常にポピュラーで、ほとんどの捕食魚に有効。元気で泳ぎが良く、比較的長持ちするため扱いやすいです。サイズも豊富で、ターゲットに合わせて選べます。
- 主なターゲット: ブリ、ヒラマサ、カンパチ（青物全般）、ヒラメ、マゴチ、シーバス、ハタ類など。
- イワシ (鰯)
- 特徴: 青物の大好物。群れで回遊するため、手に入れやすいことが多いです。身が柔らかく、食い込みが良い反面、弱りやすいのが難点。
- 主なターゲット: ブリ、ヒラマサ、カンパチ（青物全般）、ヒラメ、マゴチ、シーバスなど。
その他よく使われる魚
- サヨリ (細魚)
- 特徴: 細身で表層を活発に泳ぐため、水面付近を意識している捕食魚に有効です。
- 主なターゲット: シーバス、青物など。
- キビナゴ (黍魚子)
- 特徴: 小ぶりでギラギラとした光沢が捕食魚の食欲を刺激します。弱りやすい傾向があります。
- 主なターゲット: 小型青物、カマス、シーバス、根魚など。
- キス (鱚)
- 特徴: 白身で身持ちが良く、底物狙いに効果的です。
- 主なターゲット: ヒラメ、マゴチ、シーバスなど。
- ハゼ (鯊)
- 特徴: 河口域や汽水域で手に入りやすく、生命力が強いです。底を意識するターゲットに有効。
- 主なターゲット: ヒラメ、マゴチ、シーバスなど。
- メバル・カサゴ (眼張・笠子)
- 特徴: 根魚系の餌として非常に有効で、生命力が強く、底に潜む大型根魚を狙う際に使われます。ただし、自分で釣るのは少し手間がかかることと、根に潜る習性があるので使うのが難しい餌になります。
- 主なターゲット: ハタ類（クエ、マハタなど）、ヒラメ、マゴチなど。
- ウミタナゴ (海多魚)
- 特徴: 比較的生命力が強く、防波堤などで手軽に釣れることがあります。
- 主なターゲット: シーバス、ヒラメ、マゴチなど。
魚以外で有効なもの
- コイカ (小イカ)
- 特徴: アオリイカなどの小型イカも、特にヒラメやマゴチ、大型シーバス狙いの泳がせ釣りで使われることがあります。独自の動きと墨を吐く習性が、捕食魚を刺激します。
餌を選ぶ際のポイント
- ターゲット魚種: 何を釣りたいかによって、餌魚の好みやサイズが変わります。
- 餌のサイズ: ターゲットの口の大きさに合わせて選びましょう。大きすぎると食い込みが悪く、小さすぎるとアピール不足になることがあります。
- 生命力: 元気に泳いでいる餌ほど、捕食魚にアピールします。弱りにくい魚種を選ぶか、鮮度を保つ工夫が必要です。
- 入手方法: 自分でサビキ釣りなどで釣る場合と、釣具店で購入する場合があります。自分で釣る場合は、その場で手に入る魚種が選択肢になります。
泳がせ釣りは、生き餌の動きでターゲットを誘うのが醍醐味です。これらの魚を参考に、状況に合わせた最適な餌を選んでみてください。
