オニイソメ(学名:Eunice aphroditois)は、最大で3メートルを超えることもある非常に大型のゴカイ(多毛類)で、英語では「Bobbit worm(ボビットワーム)」とも呼ばれています。強力な顎を持ち、魚などの獲物を一瞬で切り裂くほどの捕食能力を持つ、海の中ではかなり怖い存在です。
日本における生息情報
- 分布:熱帯・亜熱帯の海域に広く分布しており、日本近海でも沖縄周辺や南西諸島など暖かい海域で確認されています。
- 生息環境:砂地やサンゴ礁の隙間などに潜み、頭だけを出して獲物を待ち伏せする習性があります。
- 本州での目撃:本州沿岸ではほとんど見られませんが、まれに水族館やダイビングで話題になることがあります。
特徴
- 全長:通常1~2mほど、大きい個体で3m以上。
- 体色:虹色に光沢のある体で、とても派手。
- 性質:非常に獰猛。顎は鋭く、人間でも不用意に触るとケガをする危険があります。
注意点
釣り餌で使う「青イソメ」「ゴカイ」とは全く別物で、サイズも性質もケタ違いです。日本では自然に出会う機会は少ないですが、もし海で見つけても触らない方が安全です。
オニイソメに噛まれるとかなり危険
危険性
- 強力な顎:オニイソメはカミソリのように鋭い顎を持ち、魚の体を一瞬で切断できるほどの力があります。
- 人間への影響:ダイバーや水槽で触った人が噛まれた事例があり、
- 指先を切り裂かれる
- 深い裂傷になる
- 大きな痛みと出血を伴う
といった報告があります。指先程度なら大怪我で済みますが、噛まれ方によっては縫合が必要になることもあります。
毒性について
- 基本的には毒は持たないとされています。
- ただし海中の細菌によって傷口が感染症になるリスクはあります。
噛まれないための注意
- ダイビング中に砂地や岩の隙間から光沢のある長いイソメのようなものが顔を出していても、絶対に手を近づけない。
- 水槽で飼育されている場合も、掃除やメンテナンス中は注意。
噛まれたときの応急処置
- すぐに海水でなく真水で洗い流す。
- 出血していれば圧迫止血。
- 消毒し、可能であれば抗菌薬入りの軟膏を塗布。
- 深い傷なら縫合が必要になるため病院へ行く。